オリンピックを申込むにあたりぶつかる問題の数々

オリンピックを申込むにあたりぶつかる問題の数々

前回「なるべく安く!オリンピックを体感しよう」の中で第一回家族会議にて書いた。オリンピックで観戦したいスポーツなど話し合い、義母と夫、私のオリンピックに対する意気込みを確認したのだ。

実際に5/9の申込み開始をうけ、具体的に各人の予定や、種目の詳細など決めるため「第二回家族会議」が開かれた。

ところが、大枠を決めていたにも関わらずチケットの選定は簡単には行かないものだ。一体何が問題なのか。これからオリンピックを申し込む方は、ぜひこの点も考えてから申込んで欲しい。

追記:TOKYO2020みんなで応援チケットは競技セッションにより設定されてない場合があるので、サイトのチェックも合わせて必要!!!

TOKYO 2020 チケット購入ページ|公式

一番の問題は選択肢の多さ

新聞に掲載されたオリンピックチケット一覧
新聞に掲載されたオリンピックチケット一覧

この新聞に掲載されたオリンピックチケット一覧を見てほしい。見開きはもう1ページある。この中から申込むチケットを選ぶのだ。

今は新聞を取っている家庭は少ないけれど、年配の方ならテレビでより詳しい情報を見聞きしたり新聞のチケット一覧で確認できるのだな、これはよく分かる!っておいぃ!
肝心の申込みは、初期はインターネットだけだし、ID取得や申込みの手順もとっても年配者にはハードルが高い仕様ではないか。

「長野オリンピックの時は、申込書を取り寄せて郵送で申し込めたのに」と義母。本当に、これはインターネットに不慣れなもの一同、それを手伝ってあげないといけない我々一同もきっと怒るところ。

おそらく、次回日本で行われる頃には、個人認証も簡単にできて、テレビやスマホから簡単に申込めるようなシステムが進んでいることだろう。

さて「卓球」をアップにした画像もあるので掲載。

新聞に掲載された卓球チケット一覧
新聞に掲載された卓球チケット一覧

「卓球が見たいな」といっても、「決勝戦でなくてもいい」「日本の試合でなくてもいい」と言っても、この写真の中だけでも選択肢は14行の3列、42個もあるのだ。何となくわかっている競技でもこんな感じ。

では、チケットを申込むにあたり、具体的にはどういった問題があるのか。次から詳しく書いていこう。

具体的な問題の数々(申込みあるある)

見たい競技の種目名称を詳しく知らない問題

前回、「スポーツクライミング」や「射撃」「馬術」など競技の候補が上がっていたので簡単かと思いきや、選ぶ段階になるとそのスポーツの何も知らなかったことに驚いてしまう。

最初に問題にぶつかった競技が「射撃」なので、射撃で説明する。

「射撃」なら まず「ライフル射撃」、「ピストル射撃」、「クレー射撃」の3つの種別があって、それぞれに種目が用意されている。

ライフル射撃なら「 50mライフル三姿勢」「 10mエアライフル」「(混合)10mエアライフル」、ピストル射撃なら「ラピッドファイアピストル(男子)」「10mエアピストル(男女共」「25mピストル(女子))「混合エアピストル」。クレー射撃なら「トラップ」と「スキート」がある。

何を言っているかわからないと思うが、私もこの時知ったとしか言いようがない。まさに知らないカタカナのオンパレードだ。

最初こそ「お義母さん、エアギターってギター持たないんですよ。もしかしてこのエアライフルは…」「まぁ、うふふふふ」なんてこともあったけれど、途中からそんな余裕がないことに気づき始めた。

義母は「世界から一流の選手が来るのだから、どの競技を見たってすごいはずよ」と言っている。そこに異論はない。
ただ、本人が「見たい」と思っている射撃が、思っていた射撃と違う場合というのはあるからね。

オリンピックチケット獲得担当のディレクターとしては、義母の要望を詳細に聞く必要があるのだ。実際に聞いてみると「ライフルではなく飛んでる円盤を打つ射撃」をイメージしていたので、わが家は「クレー射撃」を申込むことにした。ま、その中にも種類あったので、調べながらの申込みとなるのは仕方ない。クレーと呼ばれる円盤が、遠ざかってくるのを打つ(トラップ)のか、左右から出てくるのを打つ(スキート)のか、少しずつ違うのである。。

ちなみにスポーツクライミングなら、「スピード」「ボルダリング」「リード」などの種目があるし、お義母さんが前にテレビで見て楽しかったアレというのは、どのことを言ってるのかすり合わせないといけない。

対面してて、口数が少ない勉強家の義母でこれなので、遠隔地の実家の母となんて、1時間話してもチケットは1枚も決まらないだろうね。近所の話を絶対に挟んでくるし。

日程が重なってくる問題

見たい競技(射撃)や、種別(クレー射撃)をやっと決めても、さらに種目(スキート)を決めても、今度は日程の問題がやってくる。

オリンピックの開催日時はだいたい同じだ。開会式の2019/7/24(金)から、閉会式の8/9(日)まで。各種目でほぼ同じ日程で開催されているため、見たい競技が同じ日に重なってしまうことも多い。

追記:「第二希望選択サービス」というのがあるので、日程が重なっても2つまでなら同時に申し込める!

試合の時間が夜遅い問題

わが家は後述する「東京2020みんなで応援チケット」での観覧をメインとしている。夫と私、3歳の子どもと70歳超の義母だ。

そうすると、18:00~21:00の夜の時間帯だと観覧するのが難しくなる。帰宅して食事をしてお風呂に入ったら24時をまわって、保育園や仕事に影響が出るからだ。中には21:30開始の試合もある(男子/女子バレーボール準々決勝)

ちなみに射撃に関しては、外で開催されるだろうから選手にも標的が見える必要があるので夜の開催はない。主に、屋内の競技が夜の開催なんだろう。

こういう時間帯は、会社帰りの人向けなのかな。あるいはアメリカ時間に合わせたものなのかな。小さな子ども連れは少し厳しい。

よい席は価格が高すぎて怯んでしまう問題

テレビなどでも、最高価格のチケットは30万円(開会式A席)!とやっているからご存知だと思うが、人気種目のA席のチケットは高い。

スポーツ観戦好きの義母は、ひとりで暮らしていて時間的にも金銭的にも自由度が高いので、「私たちに構わず、ひとりでもよい席で観戦してきてください」とすすめてみたところ、「男子100m決勝とか、水泳が見たいわ」と言ってきた。

うーん、お義母さん、「男子100m決勝」はC席でも41,500円。。水泳は予選でC席なら10,000円くらい、決勝ならC席でも36,500円だ。

他にも観戦する予定なので1席に30,000円も50,000円もかけていられない。ここは10,000円までの範囲で受注※した。

※今回のチケット販売はネットが主体でパソコンスキルのない義母には不可能なため、義母の分のみ義母アカウントをこちらで作成し、代行での購入予定

個人なのか団体なのか問題

もうひとつ微妙に悩むのが、戦い方の違いというか、人数の違いというか、「個人戦」や「団体戦」「種目別」の違いだ。「シングル」か「ダブルス」かという問題もある。

最近、テレビでよく放送されていた体操で言うとわかるかもしれないが、「ゆか」「鉄棒」「つり輪」「あん馬」「跳馬」「平行棒」の6つの総合得点を個人で競う「個人戦」、総合得点を団体で競う「団体戦」がある。また、「ゆか」という競技だけを個人で競う「種目別」もあるよね。

特にこだわりがないなら、どのチケットでもいいのだろうが、見たい選手が見れる可能性を考えたり、どうせなら好きな種目を楽しめる方がよいと考えてしまうのだ。だから、難しい!

男子と女子問題

こちらは意味的には分かりやすい。競技をする選手の性別だ。

例えば、男子100mと女子100mは同じ時間帯には行わないので、それぞれ違う日程でチケットが販売されている。(実際は他の競技も複数同時に行われているが)
競技が分かれているので当たり前だけど、どちらを見たいのかという選択をせまられる。そして種目によれば「男女混合」というのもある…

義母は迫力を重視するので、そうなるとたいてい男子になってくる。でも、バドミントンやバレー、卓球なんかは女子が見たいけどね。

屋根があるかどうか問題

以前の記事で、屋根や距離は考慮してなんてことを考えていたけれど、チケットの一覧を前にするとすっかり忘れてしまっていた。

ここまで日程や競技、種目のことを考えてチケットを選び続けていると、、家から近いとか屋根があるかとか考える余裕も無くなってきていて、子どもや義母が、がんばってくれるのを期待するしかなくなっていた。

思えば射撃なんかは屋外だなぁとか、全部当たったら連日会社どうするんだ?とか頭をよぎりはじめた。

日本選手が強いかどうか問題

日程や時間、競技、種目、戦い方、男女の別まで見てきて、空いていたのが準決勝だとする。

準決勝ということは銅メダルを決める戦いで盛り上がることは間違いないんだけど。これって日本人が出る確率あるんだっけ?

当たり前だけど、全てのチケットで対戦カード(どの国とどの国が戦うか)は新聞からはわからない。

敢えてメジャー競技は避けていたりするので、せめて日本人が出ているものを見れたらなぁ。

日本人が出ない競技もあるかもしれない。そういうのも調べなければ~!ってまだ決まってないのか!

オリンピックのチケット購入って闇鍋のようだな。

チケットは30枚しか申し込めない問題

先ほどから出て来ているチケットだが、一般チケットで座席のランクを指定して申込む以外に、ファミリーやグループで申し込むというのがある。正式には「東京2020みんなで応援チケット」といい、12歳以下の子ども・60歳以上のシニアの方・障がい(車いすユーザーを含む)のある方を1名以上含む家族やグループが申し込める 。 2枚以上8枚までセットで申し込めて、価格が安い。

A席というのが一番よい席で、競技や会場によってE席までランクがあり、「東京2020みんなで応援チケット」で申し込むとランク的には一番下の席(最下位席種と呼ぶ)にはなるけれど、価格が1人あたり2,020円となりお得なのだ。

「東京2020みんなで応援チケット」がある場合
「東京2020みんなで応援チケット」がある場合

なぜお得かというと。ランクの一番低い席でも3,000~4,000円くらいはするし、競技や種目によっては6,500円くらいするチケットでも「東京2020みんなで応援チケット」なら、1人2,020円で見れるというところだ。3歳でも1人とカウントするので、子どもの方が多い場合はお得感は少ないかもしれない。

わが家では、4人観戦をメインに据えているので、「東京2020みんなで応援チケット」で申し込むのだが、ざっと10種類の申込みが必要。

そこでぶつかる壁が、チケットの申込み枚数の上限問題だ。1つのIDでは、第1希望と第2希望の合計60枚までしか申込めない。

申込上限枚数について

第1希望と第2希望の合計申込枚数は最大60枚となりますが、当選枚数は最大30枚となります

チケットの抽選申込方法|TOKYO2020公式

ある程度の制限はあって仕方がないけれど、家族の人数が多い場合は、数競技しか申し込めない。あと、複数IDを登録するのは禁止だ。見つかると権利をはく奪されるので注意。

そして、実際に申し込んでみてわかった「東京2020みんなで応援チケット」の壁がある。

全てのセッション(競技・種目)に、「東京2020みんなで応援チケット」の割り当てがあるわけではないということ。

射撃はA席しかない
射撃はA席しかない

例えば、A席しかない射的には1枚もない。また決勝などのメダルが期待される試合にもない。

これはどういうことか、今までさんざん練りに練った申込み計画が半分くらい白紙になったと言うことだ❗諦める人が多いのもわかる気がする。

立ち見席もある問題

自転車競技のシートマップ
自転車競技のシートマップ

色々スケジュールや競技・種目などを乗り越えて申し込んだ、「自転車競技(BMXフリースタイル)」だが、座席ば2パターンで、最下位席種はB席となり立見のようだ。3歳児…70歳義母どうしよう。

第2希望問題

第2希望選択画面
第2希望選択画面

このサイトの清書段階で調べていた時に気付いた最新の問題だ。第2希望選択サービスなるものを発見。第2希望を申し込めるなんて。いや、申し込まなくてもいいのだけど、競技を選んでいる段階で日程が重なっているところは諦めたのだった。日程のところに追記するので、まだの人は考えておいてね。

これは、同じ日や時間に見たいものがある場合に有効なシステムかな。申込枠を増やすことができるし、1つ目がだめでも2つ目が当たるかもしれない。期間限定の旅行者にはありがたい仕組みだ。

もうひとつの考え方としては、第一希望と同じ競技を別の空いている日程で第二希望にする方法。その競技を見たい場合は有効かな。

特に土日の申込みに対しては第二希望まで申込むようにした。平日に無理してたくさん設定しなくてもね。

だんだん最後の方は思考力がなくなってきて、もはや一度も候補にあがらなかったけど私が勝手に見たい「柔道」を第二希望で申し込んだり、「射撃」なんかは平日に大人だけで行こうということにした。

さて、どうやってみんなに説明をしよう。

カスケードサービスつけるか問題

これは「最下位席種」や「東京2020みんなで応援チケット」や「車いすユーザーチケット」で申込む人には関係がない。

C席の抽選には外れたけど、D席なら空いているよという場合にそちらを当ててくれるサービスだ。申込時に申込む必要がある。値段的に高くなることはないが、期待外れの席になる可能性はある。

でもこれも当たる確率が上がってよいサービスではないかな。

チケットのキャンセルについて

※購入手続期間を過ぎた場合、当選したチケットの購入権利は、すべて無効となりますのでご注意下さい。

※申込受付期間終了後の枚数変更やキャンセル等は、一切承れませんのでご注意下さい。 なお複数のセッションに当選された場合のチケット代金は、当選分の全額を一括で支払いただきますので、一部のみの支払はできません。

※現金決済(コンビニエンストア)は、7月4日(木) までにコンビニエンストアにて支払が必要になりますのでご注意ください。


チケットの抽選申込方法 |TOKYO2020公式

このような記載があるので、まったく払えない場合は無効にはなるだろうけど。当選した分に関して、一部キャンセルというのは難しそうだ。

ただし、義母が言うには公式な転売サイトのようなものができるので、そこで同じ価格でやりとりはできるようだ。

調べると、日経が5/9にすでにニュースにしていた。転売サイトは再販売サイトと呼ばれていて、2020年の春ごろにできるらしい。

「チケット不正転売禁止法」がチケットの抽選発表前に成立するのでくれぐれも注意すること。売るのももちろんだけど、買うのもだめ。

不要チケット「転売は公式サイトで」 東京五輪組織委

仕事や保育園はどうするの問題

カレンダー表示例
カレンダーはこんな感じ

今まで必死に見たいオリンピック競技のチケットを獲得することのみに注力してきたけれど。これ仕事や保育園ってどうするのだろう。

まぁ保育園は休めば休むだけ勿体ないというくらいだけど、仕事そんなに休めるのかな。日本、オリンピック期間中は無礼講?休み放題にならないかな。

国をあげてオリンピックを盛り上げないといけないしね。こんなにお祭り騒ぎしてチケット争奪している人、周りでまだ見ないよ。こういう人にはサービス有給を出そうよ!

数日経って気づいたけれど、7月8月って夏休み☀だね。普通に休めるではないか。オリンピックがあるから、例年よりは休みやすいよ、安心して申し込もう!

遠征組はさらに大変だろうな

私たち家族は関東に住んでいるので、がんばればたいていの会場へは電車で1時間半以内ではいける距離だ。

これが、関西から、北海道から、沖縄から、海外からとなるともっと計画が大変だろうなぁ。どこからどこまで会社を休んで、どこからどこまで宿泊予定にして、どこら辺にホテル押さえることにして、と想定してから申込むのかな。

当たってから計画立てるのかな。

あと1年しかないけど、旅行会社やホテル観光業のみなさん、ピンチはチャンスだ。いや最初からピンチと言ってはいけない。大変だろうけれど、大人数がやってくるのでがんばっていきましょう!

参照:
東京2020公式チケット販売サイト
東京オリンピック・パラリンピック準備局
ウィキペディア